歯周病の治療方針
一般に歯周病については、今でもTVのCMなどで「歯磨きをきちんとしましょう!歯磨きは〇〇でしましょう!」と言われるように炎症としての側面ばかりが語られることが多いようです。最近は糖尿病などの問題も合わせて語られるようになってきましたが、それ以外にも大切な問題があります。それはかみ合わせや歯ぎしり・食いしばりの「力」から歯や歯周組織をまもる治療を考えなくてはいけません。つまり細菌に「感染」した歯周組織(歯肉や歯槽骨など)が過大な力に揺らされたり、夜間の歯ぎしり(ブラキシズム)によって痛めつけられることが、歯周病をさらに悪化させてしまうのです。
かみ合せの「力」の問題について、当院ではかみ合わせに関する「総合診断」をすることにより患者様の「力」の問題を把握し、かみ合わせの立て直しをしながら歯周病の状態も改善してゆきます。
検査・診断
ここではかみ合わせの「総合診断」以外の細菌感染に関する説明をします。
歯周病の程度(病状)を知るために、普通行われているのは「歯周ポケットの検査」、「歯肉の炎症程度」、「歯の動揺度(ぐらつき)」と「レントゲン検査」などです。
でもそれだけでよいのでしょうか?
歯周病は歯の汚れや細菌などの影響で悪くなることが知られています。私達は歯周病原因菌の検査をして、現在の状況を判断する一助にしています。細菌による感染について、歯周病の約90%において、口腔内細菌のPorphyromonas gingivalis,Treponema denticola及びTannerella forsythiaの3種類の1種あるいは複数がその発症の原因になると言われています。
当院で採用している「バナペリオ」は歯肉縁下プラーク中の3菌種がもつ酵素を検出することにより菌の存在を調べることができます。
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これだけで、5分で判定できます。
治療
歯周病は歯の汚れや細菌などの影響で悪くなることが知られています。私達は歯周病原因菌の検査をして、現在の状況を判断する一助にしています。診療の場ではまだ最近始められたばかりのものですが、有効に活用していこうと考えています。
歯周病は細菌による「感染」のみならず、自らのかみ合わせの「力」をコントロールすることが大切です。
治療完了後は、定期的に診査を受けられることをおすすめします。健康で美しい歯を保ちましょう。